C型肝炎ウイルスに感染すると,10年,20年,30年の経過で,慢性肝炎→肝硬変→肝臓がんへと徐々に進行し,感染者の約20%が肝臓が原因で死亡すると推定されています.慢性肝炎になると,ウイルスが自然に消えてしまうことはありませんが,治療によりウイルスを消失させることができれば進行を食い止めることができます.インターフェロンはそのための最も確立された治療法です。
ここまでは、2009年にホームページを作成した時の文章です。
当時は、1週間に1回のペグインターフェロン注射とリバビリン内服薬の併用療法が、最も効果が良い治療法でした。その後、2011年にDAA(直接作用型抗ウイルス薬)を加えた3剤併用療法が開発され、インターフェロン療法の有効率はさらに向上しました。
しかし、インターフェロン治療には問題となる副作用も多く、インターフェロンが使えない人、インターフェロン治療を中断せざるを得ない人、治療薬を減量したために治療効果が半減してしまう人などもあり、必ずしも万人に有効な治療法とは言えない部分があり、さらに有効な治療法の開発が望まれていました。
そして、2014年、ついに、インターフェロンを使わずに内服薬だけで治すインターフェロンフリーの時代に突入し、今や95%のウイルス消失率が期待できる時代になりました。ジェノタイプ1型のC型肝炎に対する治療法と治療効果の変遷についてのグラフを示します。
日本肝臓学会:C型肝炎ガイドラインより作図
2016年5月現在、保険適応になっている薬剤としては次の4種類があり、いずれも90%以上、 100%近いウイルス消失率が見込まれています。ウイルスのタイプによって保険適応が異なり、 ソバルディのみがジェノタイプⅡ型、それ以外はジェノタイプⅠ型が保険適応になります。
これらの治療薬は、副作用が少ないといっても、全く副作用がない訳ではないため、
インターフェロンフリー治療薬を処方できるのは、肝臓専門医または肝臓専門の医療機関と
連携が取れる医師に限られます。当院は、肝臓専門医が常勤する施設にあたります。
治療薬の選択は、C型肝炎ウイルスのジェノタイプ、C型肝炎ウイルス遺伝子の耐性変異の有無、本人の合併疾患、併用薬(腎機能、心疾患、高血圧治療薬など)をもとに判断します。
インターフェロンフリーC型肝炎治療薬の薬価は、驚くほど高額です。12週~24週の治療で、薬代が総額265万円~673万円かかります。その3割を負担するとしても、およそ70万円~200万円支払わなければなりません。そこで、C型肝炎治療を受ける際には、肝炎治療医療費助成制度を利用することになります。この助成制度を利用すると、月額自己負担額の限度は、所得に応じて1万円または2万円で済みます。
ただし、申請がおりるまでに時間を要しますので、申請がおりるまでは高額医療費制度を利用すれば、自己負担額を減らすことができます。世帯の標準報酬月額が50万円以下であれば、自己負担限度額は、収入に応じて、35,400円~約10万円の範囲になります。支払い過ぎた差額は、数ヶ月後、肝炎治療医療費助成制度の申請がおりた後に戻ってくるという流れになります(最終的には1万円または2万円の負担で治療を終えるという計算になります)。
肝炎治療医療費助成の申請は管轄保健所で、高額医療の申請は各自治体の役所で行います。那珂川町に住民票があれば、肝炎治療医療費助成制度の申請は筑紫保健所で、高額医療の申請は那珂川町役場で行うことになります。
日本肝臓学会 「C型肝炎治療ガイドライン」
http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c
福岡県ホームページ 「肝炎治療の一部助成について」
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kanen-jyosei.html
全国健康保険協会(協会けんぽ)「高額医療費」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030
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