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2024.04.30
アンチエイジングトピックス
SIBO(小腸内細菌増殖症)とは
ゲップ、吐き気、胃もたれ、心窩部痛、腹痛、お腹の張り、腹部膨満感、便秘、下痢 ...... などが続くのに、原因となる全身疾患がなく、胃カメラや大腸ファイバーをしても異常がないと言われて悩んでおられる方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
原因となる器質的疾患が認められないのに、このような慢性的な消化器症状が続く状態を「機能性消化管疾患」(FGID:Functional Gastrointestinal Disorders)と呼びます。この中には、食道や胃に原因がある「非びらん性胃食道逆流症」(NERD:Non-erosive Reflux Disease)や「機能性ディスペプシア」(FD:Functional Dyspepsia)、大腸に原因がある「過敏性腸症候群」(IBS:Irritable Bowel Syndrome)が含まれますが、近年、小腸に原因がある「小腸内細菌増殖症」(SIBO:Small Intestinal Bacterial Overgrowth)もFGIDの一つとして注目されています。
口腔、胃、十二指腸で消化された食べ物は、小腸で栄養として吸収されます。消化酵素で消化されなかった成分は、大腸に豊富に存在する腸内細菌(腸内フローラ)によって分解(発酵)され、ガスが発生します(オナラやゲップの素)。もともと、小腸には腸内細菌は少ないので、小腸内で発生するガスは少ないのですが、小腸内で腸内細菌が増えすぎると、小腸で多くのガスが発生し、さらに小腸の粘膜や機能が障害を受けて、ゲップ、お腹の張り、腹部膨満感、腹痛、吐き気、下痢、便秘などが続くようになるのです。このような状態をSIBOと呼びます。
SIBOと過敏性腸症候群(IBS)の症状は似ていて、合併することも多いので、SIBOなのに(SIBOもあるのに)過敏性腸症候群として扱われているケースもよくあります。
小腸内の環境は、①胃酸や胆汁酸や膵液の分泌、②小腸の蠕動運動、③腸管免疫、④回盲弁機能などによって保たれていますが、これらが障害を受けると、小腸内細菌の数や組成が変わります。小腸内に細菌が増える原因としては、次のようなものが挙げられます。
SIBOの原因
(1) 薬剤(胃酸抑制剤、抗生剤、オピオイド)
(2) 手術(胃切除、胆嚢摘出)
(3) 消化器疾患(慢性胃炎、慢性膵炎、肝硬変、小腸憩室症、回盲弁機能異常、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎)
(4) 全身疾患(糖尿病、強皮症、アミロイドーシス、甲状腺機能低下症、パーキンソン病)
(5) 生活習慣(ストレス、炭水化物過剰、飲酒)
(6) 加齢
萎縮性胃炎(ヘリコバクターピロリ感染)や手術による胃酸や胆汁酸の殺菌能力の低下、回盲弁の異常による大腸内細菌の逆流、消化器疾患による腸内細菌叢の変化、全身性疾患による小腸蠕動運動の低下、ストレス、食生活、加齢などが、SIBOの原因となります。
また、胃酸抑制剤による殺菌能の低下、抗生剤による腸内細菌叢の変化、オピオイドなどによる蠕動運動の低下なども、SIBOの原因となります。
SIBOは、お腹の症状だけでなく、重症になると、栄養障害、体重減少、貧血、神経障害などの全身症状を引き起こし、メンタル面にも影響を与えますので、注意が必要です。
参考文献
1. Pimentel M et al. AGG Clinical Guideline: Small Intestinal Bacterial Overgrowth. Am J Gastroenterol. 2020 Feb;115(2):165-178.
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